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|幼保連携型認定こども園 淡路幼稚園|

Childcarecenter in Osaka-City

所在地:大阪市東淀川区 

用途:認定こども園/新築 

構造:鉄筋コンクリート造 地上2階 

敷地面積:1296.61㎡ 

建築面積:479.95㎡ 

延床面積:902.68㎡

構造設計:海野構造研究所

location:Osaka , Japan 

use:childcarecenter  

structure:RC,2stories 

site area :1296.61㎡

building area :479.95㎡ 

total floor area :902.68㎡

structure design:Unno engineers‚inc.

photo : Yohei Sasakura

|背景|

大阪市東淀川区東淡路。多様に交差する路線の高架化や駅周辺の再開発事業を背にし、住宅密集地に建つ認定こども園。

昭和2年よりこの地で幼稚園を開園し増改築を繰り返し行ってきた4階建て既存園舎の老朽化に伴い、また105名を受け入れる「幼保連携型認定こども園」への移行として建て替える事になった。

旧園舎は増改築の跡が色濃く残り、自分の立ち位置(園児の行動範囲)を見失いそうな空間に構築されていた。

長い年月の間に土地区画の変更もあり、西側の隣地境界は旧園舎の外壁面まで後退し、隣家と旧園舎とが緊密な状態で背を合わす状態だった。当たり前にそこには光も風も届かず、滑り込む雨水が残り、不快さがあった。

現況の接道道路幅員は1.8m程度しか無く建築基準法附則5項道路のため道路後退の必要と、地盤面は周辺道路より+0.85m程度の位置にあり、南・東・北側は高さ1m以上の石積み擁壁で覆われていたため、擁壁撤去の上、新設工事(プレキャストL型擁壁)も必要とした。また、園庭は南側に隣接する系列法人が運営する保育園の園児たち80名も利用する環境であった。

 

|主旨|

園児たちが、方向性(方位と時間と季節と建築の形式)を素直に感じ取れる空間づくり。

複雑な様式の場で保育を行っていた既存園舎と周辺との関係性から、整った形式と園舎をスケールダウンさせる手法をとり、新しく建築が在ることで密集地の密度の緩和を能動的に目指した。

 

 

|計画|

中央に長く奥行きが外部までつながる廊下を軸として、立ち位置や整った方向性を園児たちへ示しながら園庭側に保育室、遊戯室を配置した。

2階の3〜5歳児保育室はフロアレベルで庇を伸ばし、園児たちが怖がらず窓辺で過ごせるように内と外の間の中間の領域をつくった。1階の0〜2歳児保育室は、東側の朝日の時間に配置しているため、天井までの木製ガラス框戸からの均一な明るさが終日降り注ぐよう計画した。

反対に西側は、こども園として必要な諸室や子育て支援室を機能的に配置し積層させた。開口部からの優しい夕日は、中央軸を通リ、視覚的に保育室まで届いた。

鉄筋コンクリート造と強固の構造形式であるが、ラーメン構造を採用し柱サイズとスパンの佇まいを保育室に合わせ、光と視線の抜けが十分に存在する空間となった。視線の抜ける箇所を多くつくる事で、互いの目の届く幅を増やした環境と、こども目線の奥行きの広がりがある、素直に広がる空間を内包したものとなった。

また周辺環境より建築の高さを落とすことと、敷地内にできる限りの広さの園庭を残すことで、密集地を密度を下げた。屋根スラブは躯体防水とし、形態を簡素化することで、建築高さを抑えつつも保育室高さの確保できるように配慮した。北及び西側の外壁線は、中木が1本入り成長できる位置まで隣地境界線より離し、光と風が届くように配置した。

 

|展望|

密集地にできた大きな余白の溜まり場(周辺環境に囲まれた園舎と園庭)に、園児たちの声や仕草や笑顔や泣き顔などがある日常風景が、永く地域との関わりを生み出していくのではないだろうか。

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